突然ですが…
あなたは自分の役割を意識したことはありますか?
また役割をいくつ持っていますか?
普段の生活ではあまり意識することがない役割。
この役割を少し考えてみましょう。
役割視点で自分を見つめなおすことで自分と他者との繋がりを自覚でき、自分自身を認めることにもつながります(関連記事:社会的欲求、承認欲求とは)。
役割理論 わかりやすく
役割理論という言葉はあまり聞き慣れないかもしれません。
役割理論とはどういうものでしょうか。
役割に着目して、社会と個人の関係を説明しようとする社会学や行動諸科学の理論。
コトバンクより
役割理論では、その人が持っている役割に着目します。
人は自分が持っている役割を演じていると考えます。
演じる行動は必ず他者がいることを前提として相互に関連したふるまい(行動)を見ます。
具体的に見ていきましょう。
役割理論の考え方
あるひとりの男性を例にとってみてみましょう。
彼がひとりでいる場合、ひとりの男性と見ることができます。
彼が夫婦でいる場合、彼の役割は「 夫 」になります。
彼が会社に出勤した場合、彼の役割は「社員」になります。
彼が子供といる場合、彼の役割は「お父さん」になります。
彼が趣味で社会人野球チームに所属して活躍している場合、
彼の役割は「打順6番のセカンド」になります。
(ポジションはどこでもいいのですが…😅)
役割とは相互関係
役割の考え方を具体的にみてきました。
例で挙げただけでも彼の役割は4つあります。
夫であったり…
社員であったり…
お父さんであったり…
野球の選手であったり…。
例で見ても分かるとおり役割は必ず他者がいることが前提となります。
夫役割の場合は妻が、社員の場合は会社内の同僚が、お父さんの場合は子供が、野球選手の場合は他の選手がいることが前提です。
同じ人物であっても、関係する相手が誰かによって役割は変わります。
このように相手に対して相応しい役割を演じることで社会生活がすすんでいくという考え方が役割理論です。
役割を持つことの意味
冒頭で投げかけましたが、あなたはいくつの役割を持っていましたか?
でも、この役割理論は一体何に役立つのでしょう。
社会の一員としての自覚
役割理論はものの見方のひとつです。
個人を役割という視点から見ているだけです。
でもこれが重要なんです。
役割視点で個人を見ていくと社会との繋がりに気づくことができます。
これが役割理論のポイントと言っても良いでしょう。
夫やお父さん役割がある人は「家族」という社会との繋がりに気づくことができます。
社員であれは、会社という組織との繋がりが見えてくるし、
野球選手であれば野球チームという組織との繋がりが見えてきます。
もし「自分は何の役に立っているんだろう」なんて考えているなら、いちど役割という視点で自分を見てみてください。
誰かとの繋がりや何処かとの繋がりが見えてくると思います。
繋がりが自覚できたなら、その相手との関係性で役割を果たしていると自覚できるでしょう。
役割理論でコミュニケーションもうまくいく?
役割理論を知ることで上手なコミュニケーションを取ることが出来ます。
そのために自分の役割を知ることと相手の役割を知ることが必要です。
それぞれみていきましょう。
状況に合った自分の役割を知る
昔むかし、あるところにある会社の社長さんがいました。
社長がこの人の役割です。
この社長さん。何十人もの社員を抱えてバリバリ仕事に励んでガンガン業績をあげました。
会社も大きくなって自信もつきました。
いささか気持ちも大きくなってワンマンな一面も出てきました。
この社長さんがある日、車を買いに行きました。
初めて訪れた車ディーラーです。
日曜日ということもあってか、お客さんが多い。
セールス担当は、お客さんと商談中。
出されたコーヒーを飲みながら待っているけど、なかなかセールス担当は対応してくれない。
だいぶ待って、やっと対応してくれたセールスさんに
「いつまで待たせるんだ!?俺を誰だと思っているんだ!?」
と社長さん・・・・。
この社長さん、自分の役割がわかっていなかった。
会社にいるときは社長だったとしても、車ディーラーに買い物に行った時点で役割は車を買いにきたお客さんになるのです。
商談中の他のお客さんと同じ立場です。
ところが自分がいつでもどこでも社長だと思っていたのでしょう。
その結果、上から目線のような態度をとってしまったということになります。
いま自分が置かれている状況はどんな役割なのかを自覚することで、こういった失敗は防ぐことができそうです。
相手の役割を知る
初めて会った人と会話をする時「この人どんな人かなぁ」って考えながら当たり障りのない話題を出しますよね。
だんだん話が進んでくると会話の流れで相手の趣味や会社での役割などを知ることができます。
相手の趣味や役割が分かれば、話題を合わせながら相手の役割を意識したコミュニケーションをとることが出来ます。
人を相手にするサービス業の人たちはこういったスキルが高い人たちが多いようです。
まとめ
人を役割という視点から見ることで、自分と他者の繋がりが見えてくるという話をしました。
自分と他者とのつながりに気づくと、自分は他の人の役に立っているんだと自覚することができます。
無理に役割を演じなくても、相手との関係性(役割)そのものに意味があるのです。
普段とは違った視点で自分や人を見てみると新しい発見があるかもしれません。
最後まで読んでくださりありがとうございました。